政策

沖縄の米軍基地を東京へ引き取る党 公約

「第1に対話。第2に対話。第3に対話。」

1「本土」の責任いまこそ果たす(基地負担解消策)

 「沖縄の米海兵隊は東京へ、新基地建設はお台場へ、普天間飛行場は豊洲へ、北部訓練場は奥多摩へ、那覇軍港は東京湾へ、嘉手納基地は永田町へ」が「沖縄の米軍基地を東京へ引き取る党」の原点です。目をそらさずに沖縄の現状を見ると、「本土」からの「基地はいらない」という希望は、国土面積比0.6%の沖縄県に日本が抱える米軍基地の70.3%を押しつけている事態を生み出しています。日本は民主主義の法治国家でありながら、憲法違反となるこの事態を放置し続けています。私たちは一刻も早くこの事態を収束するためにも、あらゆるアプローチを使って、引き取ることや分散することからはじめます。最終的には、徹底的な対話交渉で、米軍基地がなくても国際社会の中で誇れるような社会を目指します。


1)沖縄の米軍基地を東京へ引き取る(対等な関係における応分の基地負担
(ア) 「辺野古唯一」という政府見解を真摯に受け止め、東京をはじめ全国で基地負担を受け入れられるよう「脱・辺野古唯一」を基調とする講演・対話・議論展開を強化します。これまで「新基地建設反対」としてきた議論を「沖縄における基地の固定化阻止」を基軸とし「沖縄の基地負担解消法」などをもって、全国の市民の米軍基地への関心・世論を高めると同時に、自治体に関わる職員・議員へのアプローチを行います。

(イ)沖縄県の普天間飛行場に備わる基地機能が全て移設出来る基地を、NEO TOKYO PLAN計画(1969年)に基づき東京湾を埋め立てて建設します。(普天間飛行場閉鎖・辺野古新基地建設中止に向け)

2)日本の安全保障体制の徹底的な見直し
(ア) 日米安保のあり方を再議論
約8割の国民が日米安保の必要性を訴えていることに鑑み、全国の市民が対等にその恩恵を享受し、負担も担える構造に改革します。

(イ)日米地位協定の見直し
現在の日米地位協定は、日本が米国に隷属した姿勢をとっていることから、根本的な見直しが必要だと考えます。米軍の第一次裁判権の剥奪をはじめ、日本に住む人びとの権利と安全がこの協定によって脅かされることのないよう改定します。

(ウ) 南西諸島への自衛隊配備、弾薬庫の配備中止
現在、東西冷戦の崩壊と中国の海洋進出など「中国脅威論」を背景に、鹿児島・奄美諸島から沖縄・八重山諸島までの南西諸島への陸上自衛隊を中心とした自衛隊配備が進められています。また那覇空港を離着陸場とする航空自衛隊の増強や「日本版海兵隊」といわれる水陸機動団の創設とキャンプ・ハンセンへの配備計画が存在しています。防衛省は環境アセスメントを脱法的な措置で逃れ、建設工事に着工しましたが、手続き上の問題も指摘されている中での自衛隊配備は一方的です。「自衛隊はつねに国民とともに存在する」という自衛隊の心がまえに反することからも、即時に配備中止・撤退を求めます。



2 次世代への責任いまこそ果たす(環境、経済、政治参加)

 人類が地球を破壊する「人新世」の時代、私たちはすでに限られた資源のなかで自然や動物たちと相談しながら暮らしを営んでいかなければなりせん。ですが、もうけのために資源を食い尽くそうという行動原理をもつグローバル資本主義は、私たちの豊かな協働や共生の機会を奪うだけでなく、競争に駆り立て、余裕のある心まで奪っていきます。カタカナのスローガンや上辺だけのポーズではない、他者とともに在る尊厳ある未来を次世代につなぐことを私たちは諦めません。

1) 脱原発!でその先へ
(ア)
グリーンでクリーンなエネルギーへ
私たちは脱原発を実現します。福島第一原発事故は、10年経ってもなおたくさんの人びとの当たり前の日常を奪っています。安全保障の面でも、ウクライナにおける戦争を見れば原発が大きな弱点になることは明らかです。私たちは原発を即刻廃止し、2045年までに太陽・風・水・森林・地熱などの多様な自然エネルギーにすべて置き換えます。そのために、再生可能エネルギーの高効率化と環境負荷のより少ない社会のあり方の研究開発に若手研究者を積極的に登用し、革新的な社会実装を進めます。

(イ)温室効果ガスはゼロに
気候危機は私たちがエコバックを持ったり舌を噛みそうな新語を唱えたりするだけで解決できるものではありません。自らの利益のために化石燃料に依存し大量の温室効果ガスを排出し、次世代に課題を積み残しつづける企業や政治、使い捨て社会のあり方自体を変えていく必要があります。若者や地球温暖化の危機にさらされる世界中の人びとと連帯し協力しながら、循環型経済への移行を推進。温室効果ガス排出ゼロと自然エネルギー100%の社会を実現します。

2)農とともに生きる
農は私たちのいのちの源。食料自給率100%を目指し、食料の安全保障を確立していきます。遊休農地は全国に95,000ヶ所以上(2020年農林水産省発表)あるとされています。農地法に基づく遊休農地に関する措置を適用する中で、農地中間管理機構を通して遊休農地を有効活用することができますが、その際に単純な遊休農地の貸し付けではなく、地産地消となるベースを整えた上で遊休農地を提供できる仕組みを提案します。兼業農家ではなく長年に渡って土づくりに励める環境を目指し自給率を高めます。

3) 消費税をゼロに!
消費税廃止を実現します。逆進性が高く低所得者ほど負担率が上がる消費税は、格差を温存する愚策です。消費税を廃止することで、円安の進行と資源高にあえぐ人びとの暮らしと中小零細事業者の営みを守ります。消費税に代わる財源としては、大企業からの法人税、内部留保への課税、特に所在国に貢献しないグローバル企業からの税の徴収による再分配を強化し、応分負担による公平な社会を実現します。

4)生きることは政治!
(ア)外国人地方参政権を保障
特別永住者の地方参政権を早期に保障します。在日コリアンら旧植民地出身者は、1952年サンフランシスコ講和条約で日本が独立した際、政府通達によって日本国籍を失ったという歴史的経緯があります。私たちはこの歴史的事実をきちんと受け止め、この社会で長らくともに暮らしてきた永住外国人のみなさんの地方参政権を早期に実現します。さらに被選挙権も保障することで、多様なルーツを持つ人びとの声を議会に届け、風通しの良い社会の実現に向けて努力します。

(イ) 被選挙権のハードルを下げる
供託金制度を廃止します。立候補の乱立を防ぐ名目で設けられた供託金という重い負担のために、政治家を志しても日本では簡単に立候補できないのが現状です。供託金制度を導入しているのはG7ではイギリスと日本のみ。イギリスの下院選は8万円で日本の参院選は300万円(選挙区。比例区は600万円)と飛び抜けています。女性や若者の政治参加を促すために、供託金制度を早期に廃止します。そして本来の目的である立候補の乱立を防ぐために、立候補の際の署名制度を導入します。

(ウ) 国会の新陳代謝をUP
国会議員の世代交代をすすめていきます。具体的には69歳定年制を導入すると同時に、被選挙権の年齢制限を20歳に引き下げ、国会の新陳代謝をアップします。さらに、社会を変えたいという意気込みのある多様な市民に国政の門戸を開くため、現在の小選挙区制を中選挙区制に戻し、衆院選は3期、参院選は2期と任期制限を設けます。多様な主体の政治参加を加速させることで、より民主的で闊達な議論を促します。

5) 外交と安全保障はアジアとともに
(ア)アジア平和構想推進
防衛費の大幅削減を行います。日本と他のアジア諸国相互の信頼を醸成していくためには、この地域の人びとにかつて日本が多大の損害と苦痛を与えた歴史的事実から目をそらすことはできません。80年近く時を経たいまこそ、歴史をゆがめ嘘で塗り固めることではなく、過去に向き合い、徹底した平和、対話外交によって、アジアの平和と安定に貢献することが私たちの責務です。必要なのは、人びとのお互いの自由と尊厳を守ること。誰も犠牲にしない平和な安全保障のあり方をアジアの人びとと具現化していきます。

(イ) 核兵器のない世界に
核兵器を国際法上はじめて違法と位置づけ、開発・保有・使用を一切禁止する「核兵器禁止条約」にすみやかに参加します。核兵器の惨禍を人類が二度と起こさないためにも、国際社会と対話を重ねながら核兵器の「拡大抑止」ではなく「廃絶」を目指します。



3 差別是正への責任いまこそ果たす(人権と差別禁止)

 「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。」という世界人権宣言からかけ離れた状況に日本社会はあります。
 圧倒的な不均衡、不平等、抑圧が生じている社会の中で、それらを是正するためには、被抑圧者、被差別者に「寄り添う」ことや、個々の「思いやり」や「想像力」に頼ることだけでは根本的な解決にはなりません。いかに今の社会がマジョリティ側、権力を有する側を中心につくられているかに着目し、その構造から変革するという気概をもって取り組んでいくことが重要です。
 私たちは、これまで差別と闘ってきた人々の歴史に真摯に学び、あらゆる人が差別に苦しむことなく、自分らしく自由に生きられる社会を目指します。社会を動かす底流には、自他への尊厳と熱にあふれた対話があることを、自信をもって子どもたちに伝えていける社会、大人でありたいと思います。

1) 人権
(ア) 子ども声を尊重する社会
「子どもの権利条約」に鑑み、子ども自身や親の人種、国籍、性、宗教、意見、障がい、経済状況などのいかなる理由でも差別を受けることなく、子どもの命が守られ、意見が尊重され、自分の能力を発揮して成長していけるように環境を整えます。
貧困や虐待など、様々な困難な状況におかれている子ども、またその親(保護者)への支援を強化します。

(イ) 心も身体も貧しさを感じさせない社会
憲法25条に定められた「健康で文化的な最低限の生活を営む権利」の理念に立ち返り、それを享受できない人たちに立ちはだかる様々な要因(労働、家族、医療、教育、障がいなどを取り巻く壁)を分析し、いまあるセーフティーネットの拡充に加え、格差是正につながる新たな施策を講じます。

(ウ) 違いをゆたかさへ(多様性の尊重と権利の保障)
人種、国籍、年齢、LGBTQ、宗教、障がいなどを理由にしたあらゆる差別を許さず、だれもが自分らしく生きていけるための権利を保障します。社会には、多様な人たちが生きていることをその歴史からきちんと学ぶ場を積極的につくります。
議員、企業の管理職などの意思決定機関の50%を女性に割り当てるクオータ制を法制化します。

(エ) 差別解消3法の実効性をON!他の差別禁止規定にも拡充させます
「障がい者差別解消法」「ヘイトスピーチ解消法」「部落差別解消推進法」に禁止規定、または罰則規定を設けることによってこの法律をより実効化します。
また、これ以外の差別事案に対してもその複合性などを注視しながら、実効性のある差別禁止規定を
作成します。

(オ) 入管システムなどの徹底的な見直し
全件収容体制(在留資格がない人全員を収容するシステム)、仮放免の基準の曖昧さ、期限なき収容、在留特別許可の可否判断が入管の裁量のみで決定されるなど、入管管理、入管のシステムが抱えている問題を是正すると同時に、入管収容者の人権が確立されるよう取り組みます。

(カ) やりなおしに伴走する社会
誰もが生きる権利を行使できる仕組みを構築します。刑務所や拘置所などから出所する場合に、職業の斡旋だけではなく、放免者が利用できる制度やリハビリ施設などの拡充を図ります。
また、犯罪被害者の家族や遺族が、誹謗中傷やいじめ、差別などを受けることがないよう制度を整えることはもちろんのこと、任意保険の有無に関わらず生活全般の援助や立て直しに向けてバックアップできるような制度を制定します。


(キ) 拉致問題の解決
「北朝鮮」に拉致された被害者を救済すべく、「北朝鮮」との徹底的な対話に挑みます。拉致被害者家族の長年の悲願である被害者帰国に向け外交努力に励みます。

2) 教育
(ア)教育費用ゼロ政策
義務教育にかかる教材費、給食費を無料にします。高等教育、大学、専門学校の学費も無償にし、入学金を廃止します。また、フリースクールなどの多様な学びに対して補助金を支給します。国籍、ルーツを問わず、すべての子どものゆたかな学びを保障します。

その第一弾として
(アー1) 朝鮮学校への「高校無償化制度」除外の撤回
2013年に行われた「各種学校」の認可を受けた外国人学校の中で唯一、朝鮮学校を「高校授業料無償化」制度から除外した省令を改定し、朝鮮高校10校への「高校無償化」不指定の通知を撤回します。

(アー2)「補助金交付に関する通知」の撤回
 2016年に文部科学省より発出された「朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について(通知)」は、事実上、朝鮮学校への補助金交付の停止を地方公共団体に要請するものです。同通知を撤回し、地方公共団体に対しては、朝鮮学校に対する補助金の支出について適切な運用を求めます。

(イ)学校のあり方もアップデート
多様な子どもたちが共に学ぶゆたかな環境を保障するためには、教職員や学校運営者も多様で自由であることが大切です。そのために、学習指導要領の内容、授業時間、授業以外の業務などを見直し、教職員や学校運営に携わる人たちが主体的かつ意欲的に子どもたちと向き合えるよう環境を整えます。

(ウ) 主権者教育の拡充
特に社会的に弱い立場におかれている人たちに対して、自身が有する権利について周知します。また、その権利が脅かされそうになった際は、さまざまな救済措置やセーフティーネットがあり、助けを求めることも権利の一つであることを周知します。自身の権利保障の重要性とともに、相手の権利を尊重する姿勢、その権利が衝突した際は、対話をもって解決する姿勢を学ぶなど、実践的な政治との関わり方を生涯にわたって学ぶ機会を提供します。

2022年10月13日